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お酒の醸す『輪』と『和』~『酒々人々会』橋本幸憲さん

地域振興とは何か。
何をしたら地域振興になるのか。
地域振興をしたら、何かいいことがあるのか。
ただ闇雲に地域振興を叫んでいても、地域は活性化しない。
そのヒントになる活動をしている人たちがいる。

『酒造り』から地域振興へ

今回は『酒造り』をテーマに異業種のつながりから地域振興を目指す団体『酒々人々会』の会長をしておられる網野町木津の地酒屋『松栄屋』を営む橋本幸憲さんにお話を伺いました。

酒々人々会とは

酒々人々会とは、どんな会ですか。
一言で言えば、『お酒好きが興じて、とうとうお酒を造ってしまった人々の会』です。
お酒が好きで作ってしまうなんて。よっぽど好きなんですね。

ええ(笑)

丹後は古来より米作りに適した自然と酒造りに適した水や気象条件に恵まれた土地です。京丹後市の地酒をもっと知ってもらいたい思いもあり、この会を始めました。


では、会の目的も『お酒』にあると言うことですか。

はい。私たちの会の目的は二つあります。

一つは、自分たちで酒米の田植えをして育て、その米でお酒を造る事。もう一つは、会員それぞれが得意分野を活かし、産業振興・地域振興をする事です。それによってお互いが栄えればと思っています。

酒造りを目的とした異業種集団

自分たちでお酒を造っているのですか。

そうです。

酒造りは酒々人々会の主な目的なので、田植えから稲刈りまで全員で取り組みます。酒造りは酒蔵に、ラベルはデザイナーに作ってもらいます。完成したお酒は、酒店や居酒屋、旅館に卸します。これら全ての過程にメンバーが関わっています。

酒米は無農薬栽培で丹精込めて育てます。もちろん田んぼも会員の土地です。

すごいですね。どんな方がメンバーにおられるのですか。

先に言った以外にも看板屋、織物業、建築業、醤油蔵もいますね。
 それぞれが、それぞれの活動に密接に関わっているんですよ。

(と言って出てきたのは、酒々人々会メンバーの顔写真入りパンフレット)

酒造りを通して、お互いに助け合って栄えたらいいと思っています。

これだけの人たちがいれば、色々なことができそうですね。
はい。それぞれが自分の得意分野の中で活動に参加するので、無理することもありません。

酒々人々会には、若者から年配の方まで老若男女そろっています。異なる業種からの多角的な意見に加え、若い人の発想や年配の知恵、酒飲みの呟き…色々な意見が出てきます。その中から新しい企画が持ち上がってきます。

先に行われた『メロンの粕漬け体験』もその一環ですね。

ええ。酒造りでできた酒粕を何かに使えないか考えました。
 そこで、摘果したメロンを漬けてみようという発想につながりました。メンバーに漬け物作りの資格をもつ醤油蔵の協力もあって実現に至りました。

(粕漬け作りの体験の様子を取材してきましたが、地元のおばあちゃんが作り方を指導していました。地域の子供達やイベントで訪れていた韓国人の方、観光客の方も参加して、盛況でした。)

人と人をつなぐ場には『酒』がある

『酒々人々会』の名前の由来について教えて下さい。

古くから『お酒』は人と人が交流する場面には欠かせない物でした。お酒に携わる色々な人の会という意味で、この名前をつけました。

人と人の結びつきがなければ、地域は元気になりません。行政主導のトップダウンではなく、地域の人々がお互いに手をつないでこそ、地域振興の意味があります。

そういえば丹後には、多くの酒蔵がありますね。

京丹後市内だけでも8つあります。かつてはもっとあったと聞いています。網野町内にもあったそうですよ。人口の多くない京丹後市にこれだけ酒蔵があるのです。それだけ昔から酒造りが盛んだったということです。

京都の地酒と言えば『伏見』のイメージが強いですが、京丹後市も古くから酒造に取り組んでいる地酒処です。『京都の地酒=伏見』ではなく、京丹後市の地酒も多くの人に知ってもらいたいです。

お酒の力で地域を元気に

酒々人々会の活動について伺います。先ほど、会の目的がお酒を造ることと地域振興・産業振興とおっしゃいましたが、どのような活動をしておられるのでしょうか。

酒造りは、これから冬に向けて日本酒の仕込みの準備があります。

毎年、仕込みの前には、杜氏さんと相談をしながらお酒の味などの方向性も決めていきます。前に買ってくれたお客さんの意見も参考にして決めています。

と言うことは、毎年味が異なる?

はい、そうです。

毎年違う味のお酒を造るので、常連さんたちからは「今年はどうですか。」とよく聞かれます。こうした場面でも人と人とのやりとりがあるのもいい事です。

毎年決まった味ではないお酒を造ることで、より多くの方に日本酒を楽しんでもらいたいです。そしてこのお酒をきっかけにして、他のお酒の魅力にも触れてもらいたいですね。
「これまでのお酒もいいけれども、新しいお酒に挑戦するのもいいんじゃない。と、言うことを伝えていきたいです。」
と、橋本さん。

HPでもPRをしていますね。遠くの方とのやりとりもありますか。
はい、岡山や東北などブログで知り合って、顔も知らない方とのやりとりもあります。色々な地域の方からの意見も参考になります。
地域振興・産業振興の活動についても聞かせて下さい。

これからの観光は、宿泊業だけではなく地域に根付いた産業も一緒になって考え、取り組んでいく必要があります。今私たちがやろうとしているのは、そうした活動です。

もう少し詳しく聞かせて下さい。

多くの方に丹後の地酒を知ってもらうために、丹後の地酒を試飲してもらうイベントを企画しています。今年は宿泊業者や飲食店向けに行いますが、来年以降は一般のお客様を対象に行う予定です。

(後日、イベントの様子を取材してきました。会場には京丹後の酒蔵8蔵に加え酒々人々会や京丹後の焼酎『いもたん』のブースが集結していました。それぞれのブースでは、自慢の地酒の試飲や様々な料理のとの食べ合わせを試すことができました。また各酒蔵の方もおられたので、お酒に対する思いなどの話を聞くことができました。)

こうしたイベントを行うことで、丹後の地酒の認知を高めていきたいです。

丹後に来た方には、丹後のおいしいお酒と食べ物を楽しんでいただきたいです。そうしたお客様が増えていけば、宿泊業も飲食業も酒造りに関わる人たちもみんな豊かになり地域が元気になると思います。

地酒は日本の国酒

橋本さんの地酒への思いを聞かせて下さい。

日本酒(地酒)は国のお酒『国酒』です。日本の文化なのだから、ただ消えていくのを待つのはもったいない。だから酒蔵も巻き込んで、もっとあがいていこうじゃないかという思いがあります。

酒蔵が8つあるということは、それぞれの蔵で味も特徴も異なります。多くある種類の中から、お客さんの口に合うお酒がきっと見つかると思います。
 旅館さんや飲食店さんなども提供する料理に合ったお酒を『板長のオススメ』などのようにお客様に勧めてもらえるとうれしいですね。

これからの展望はヒミツ

最後にこれからの展望などお聞かせ下さい。
詳しいことはヒミツですが、2点考えています。
一つは、地域に産業を興していく事。
もう一つは、子育ての事です。

(話し手 『酒々人々会』会長・橋本幸憲さん)

 はじめはお酒の好きな人たちが集まって、お酒を造るようになった。
 酒造りの過程の中で関わる人たちとの出会いがあった。
 その出会いは、更に人々を巻き込み大きなうねりを作ろうとしている。
 『お酒』の醸し出す人の輪(和)はどこまで広がるのか、注目していきたいです。

『酒々人々会』に関するお問い合わせ

丹後の地酒屋 松栄屋
■アクセス:KTR『木津温泉』下車数分、地図
■電話番号:0772-74-0058
■電子メール:info@shushujinjin.com
■HP:http://www.shushujinjin.com

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