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藤布の継承を目指して~小石原将夫さん~(網野町)

藤布は、縄文時代の古来より日本で愛されてきた布地です。
後に綿などに取って代わられ、今では丹後(京丹後市と与謝野町)でしか作られていない希少な伝統産業です。
その藤布の魅力をご紹介します。
 お話を伺ったのは、京丹後では唯一藤布を作っている網野町の『遊絲舎(ゆうししゃ)』社長で『丹後藤織り保存会』の会員であり、『丹後藤布振興会』の副会長をしておられる小石原将夫さんです。

古来より愛されてきた藤

 藤は4~5月にかけて、藤色と呼ばれる薄紫色のきれいな花を咲かせるマメ科の植物です。
 藤の花は上品な色合いと香りを放ち、ついた蕾には全て花が咲き、まいた種は必ず芽を出すと言われています。
 現存する藤の木には、樹齢1200年を超える古木もあります。
 このことから藤は、生命力に溢れ縁起の良い花として古代の人々に知られ、愛されてきました。
 日本最古の和歌集である『万葉集』には、『須磨の海人の塩焼き衣の藤衣 間遠にしあればいまだ着なれず』や『大王の塩焼く海人の藤衣 なれはすれどもいやめづらしも』などの短歌が収録されています。
 この他にも、藤を扱った短歌が多くの歌集の中に詠まれてきました。その数なんと27首。

藤布とは

”"  藤布は藤の蔓の皮を剥ぎ、さらに表皮を除いた中皮を利用します。
 この中皮を灰汁で炊いて繊維を分離していくなど、十ほどの工程を経て藤布製品になります。
 小石原さんの工房では、現在でも化学薬品などを使わず、昔ながらの灰汁を使った製法にこだわっています。
 しかし近年、灰汁の材料になるアルカリ値の高い良質の灰がないのが悩みとのことです。
 アルカリ値の低い灰汁だと、うまく繊維を分離できないそうです。

 灰汁炊きによって分離した繊維を細く裂き、撚り合わせていく事で糸を作ります。これを『藤績(う)み』といいます。
 こうする事で結び目のない着心地の良さを生み出すそうです。
 古代人の持つ、思いやりの心や豊かな愛情の現れの一つでしょうか


 次に績(う)まれた藤糸は『糸車』により、撚(よ)りをかけられ機にかけて『藤布』になります。
 現在、小石原さんの工房では、主に藤布は帯に使われています。
 帯の他にも財布やハンドバッグといった小物にも藤布を使い、オリジナルの作品作りに挑戦しています。

その取組は日本国内だけでなく、世界からも注目されています。

藤布の歴史

藤の生命力にあやかるため、藤布で服を作り着用したのが縄文時代だと言われています。
しかし江戸時代以降、綿の普及によって藤布は衰退し、一時は途絶えたとも言われていました。
昭和37(1962)、丹後の世屋(現在の宮津市)で藤布作りが行われている事がわかり、伝統文化の保存運動が始まりました。
昭和60(1983)年、藤布の機織りの講習会を皮切りに、伝承に向けての取り組みが始まりました。
平成元(1989)年、『丹後藤織り保存会』発足。
平成3(1991)年、京都府無形民俗文化財に指定。
平成13(2001)年、京都府伝統工芸品に指定。
平成22(2010)年、国の重要有形民俗文化財に指定。

京丹後市では

元々帯の製造をしていた網野町の小石原将夫さん(ページトップ写真)が、昭和55年(1980年)に藤布の存在を知ります。
そこで世屋に暮らす女性に藤布の技術を学びました。
平成元(1989)年『丹後藤織り保存会』の発足と共に副会長に就任(2010年に退任)。
平成10(1998)年、『遊絲舎(ゆうししゃ)』を設立。
京丹後の地で、昔ながらの藤織の伝統を守った藤布製品(帯など)を作る一方、
藤布と絹糸との融合をテーマにしたオリジナルの作品(帯、照明器具や草履、バッグなど)作りに取り組んでいます。
近年では、平成18年(2006年)・三笠宮妃百合子殿下が名誉総裁を務める『(財)民族衣装文化普及協会』より『きもの文化賞』を明治記念館(東京)で受賞されました。
平成19年(2007年)には、NHK『新日本紀行ふたたび』に出演されました。
また日本国内だけでなく世界に向けて丹後ブランドをPRする活動もしています。
平成20年(2008年)、大英博物館にて日英国交150周年のレセプションで藤織りのドレスを発表するなど、海外の展覧会や商談会、美術館にも出展し、高い評価を受けています。

平成21(2009)年には、網野町に藤の木を移植した『藤の郷』を設立。
現在では、藤織りの原料となる藤の栽培から藤布製品の製作・販売まで行う事を目指しています。
小石原さんのご子息・充保さんも、そんな父の背中を追って藤織りの世界に入り、日々修行を積んでいます。

一度は途絶えかけた伝統文化を親から子へ引き継ぎ、普及を目指しています。

藤布に興味を持たれた方は…

藤布に興味を持たれた方は、藤布製品の販売や見学、藤布に触れあう体験を『遊絲舎』では行っています。
藤布を使ったコースターやしおり作りといった簡単な体験から藤こき、あく炊きといった本格的な体験まで、幅の広い体験をすることができます。
また、アミティ丹後でも藤布製品をお求めいただけます。

2,3年後(予定)には、藤棚に美しく咲く花を見る事ができます。(4月下旬~5月上旬)
藤の花の広がる丹後藤布園『藤の郷』へお越し下さい。

お問い合わせは『遊絲舎(ゆうししゃ)』まで。

当協会HPでも、体験の紹介をしています。こちらをご覧下さい。

電話 : 0772-72-2677

HP : http://www.fujifu.jp/

アクセス

京都丹後鉄道宮津線「網野駅」より徒歩 12分(藤の郷 は 18分)

地図


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