ベトナム人も常連に
野菜たっぷりであっさり
静庵

ベトナムのサンドイッチ「バインミー」は自家製の豚ハムやレバーのパテ、大根とニンジンのなます、ゆで卵をはさみ、具だくさん。米麺「フォー」は牛骨や香味野菜でとっただしに客が好みで現地の調味料を入れて食す。生春巻きや鶏飯「コムガー」も好評で、お隣の京丹後市に住むベトナム人もよく食べに来る。
こだわりのベトナム料理が味わえる静庵(しずかあん)は、絹織物「丹後ちりめん」で栄えた与謝野町加悦奥地域にある。店主の内田真奈美さん(52)は「ベトナム料理はあっさりしていて、野菜がたくさんとれてくせもない。スパイスをおさえ、日本人でも食べやすい」と話す。
オープンは昨年9月。与謝野町内の福祉施設で働きながら京都市内のベトナムとタイの料理教室に通う日々を送っていたが、子育てが一段落したことを機に開店を目指して一念発起。大阪市内のベトナム料理店で2年間修業した。自宅の離れを改装し、併設する茶室を使っていた祖母にちなんで静庵と名付けた。
料理は丹後地域の食材を生かす。町内産の野菜や京丹後市の牛肉や伊根町の卵を仕入れるほか、同市で作られている青パパイアやタピオカも出す。バインミーのフランスパンは与謝野町でパン教室を開く女性が、地元特産のホップの酵母種を使って、静庵のために香り高く焼き上げる。
内田さんは開業前にベトナムにも足を運び、食を楽しむ文化に魅了されたという。
「ベトナムコーヒーは、(フィルターから)ぽとぽとと落ちてくるのをのんびり待って飲む。食事を楽しんで、ゆっくりしてもらえれば」と笑顔を見せる。
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