幸福で健康な高齢社会を
初の世界長寿サミット
丹後から発信
幸福で健康な長寿社会に必要な知見を発信する「第1回世界長寿サミット」が6月16日から19日までの4日間、京丹後市峰山町の府丹後文化会館をメイン会場に市内で開かれた。国内外の研究者ら115人が老化や細胞、食と健康など多様なテーマで講演やシンポジウムを行い、高齢化社会について意見を交わした。
京都府立医科大と丹後地域の2市2町でつくる実行委員会の主催。京丹後市は100歳以上の人口比率が全国平均の約3倍と国内屈指の長寿地域で、同大学が2017年から長寿の研究に力を入れていることから同市が会場になった。
開会式で、地元のグループ「京丹後よさこい連」が「長寿よさこい」の踊りを披露。続いて、大会長を務める同大学の夜久均学長が「健康長寿について白熱した議論が交わされ、人類の幸福に意義深い会議となるよう期待する」とあいさつした。京丹後市の中山泰市長は「世界の人々が命の大切さを考える貴重な機会」と述べた。「食文化と健康長寿」「老化研究最前線」と題した講演や研究発表なども行われた。
18日は、市民向けの公開講座などが催された。
「プラチナ社会が拓(ひら)く長寿の未来」と題して基調講演した三菱総合研究所主席研究員の松田智生さんは「高齢社会はピンチでなくチャンス」と強調。高齢者の積極的な社会参加事例を示し、「『きょうよう(今日の用事)』と『きょういく(今日行く)』という意識を持ち、活力ある高齢社会を形成することが重要」などと語った。
大阪観光局を中心に全国11自治体でつくる「健康・美・長寿推進協議会」のシンポジウムでは、8自治体の首長らがそれぞれの取り組みを紹介した。整腸作用がある発酵食品の加工体験イベントなどの活動を報告した。京丹後市の中山泰市長は「各自治体と連携してロール(役割)モデルを示していければ」と意欲を語った。
また、サミット関連行事「健康と長寿のための運動プログラム」の一環で、ヘルスツーリズム体験会もあった。参加者は同市網野町の八丁浜でストレッチや、琴引浜まで約4・2キロのウオーキングを楽しんだ。
19日の閉会式では、夜久均・府立医科大学長が健康長寿を推進するための心構えを盛り込んだサミット宣言を発表した。
同宣言は、▽絆を育み、コミュニケーションを絶やさないこと▽植物性たんぱく質や食物繊維の豊富な食事を、仲間と共に楽しむこと▽規則正しい生活と運動習慣を日々の暮らしに取り入れること▽感謝の心をもち、生きがいを感じる毎日を大切にすること-の4項目から構成。豊かな長寿社会を実現するために欠かせない日々の暮らし方をアピールした。
主催者を代表し、中山泰・京丹後市長は「長寿研究の実践の広がりが生命や地球環境、平和を大切にする社会を実現する力強い基盤となることを願う」と締めた。閉会後、夜久学長は「市民公開講座を通じ、地域住民の関心の高さを実感した。宣言は健康長寿のポイントが凝縮されており、普段から意識することが大切だ」と実践に期待した。
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