2025.07.30|

夏の幸「京白いか」どうぞ
身が厚く、うまみも強い
久美浜の旅館、飲食店

みなと荘で提供されている活イカの姿造り=榮元さん提供
「京白いか」をPRしている久美浜町の旅館や飲食店の関係者たち(京丹後市久美浜町湊宮・みなと荘)

京丹後市久美浜町の宿泊施設や飲食店が同町の沖合で取れる「白イカ」(ケンサキイカ)を、「京白いか」としてPRする取り組みを始めた。生きたままで提供する「活(かつ)イカ」などの料理を出し、漁場が近い特性を生かした夏の幸を「地域活性化の起爆剤に」と関係者は思い描く。

白イカの旬は5月から8月までで、久美浜町では定置網漁で水揚げされる。汽水の久美浜湾沖の日本海でも、イカを釣る遊漁船や漁船が集まっている。

京白いかをPRするのは、久美浜町旅館組合の旅館「みなと荘」(湊宮)、民宿「かず子」(同)、久美浜温泉湯元館(平田)、旅館「堅木屋」(野中)、飲食店「お食事処なかじま」(谷)の5軒。「京白いか」の商標登録を申請中で、イカの姿造りやシューマイなどの料理を提供する。のぼりやポスターも作製した。

水槽内を泳ぐ白イカ
久美浜町沖で行われている定置網漁

きっかけは、みなと荘を運営する榮元康博さん(58)が釣り船や水槽を自前で用意して活イカの提供に成功したこと。榮元さんは「久美浜の白イカは身が厚くて大きく、うまみが強い。船で10分も行けば漁場だからこそ、生きた状態で持って帰ることができる」と説明する。

また、イカの味を壊さない「プロトン凍結」をする特殊な冷凍機を工房に導入し、他の旅館や飲食店への供給も始めた。

久美浜温泉湯元館では水揚げされたばかりの白イカを提供する旅行ツアーを実施し、3年目の今年は約2000人が利用する見込みだ。米田昌弘総支配人(61)も「活イカ、朝取り、冷凍と各店が特色を出して白イカをPRしたい。提供する仲間も増やし、地域に人を呼んで元気にしたい」と意気込んでいる。

 

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プロトン凍結を使って冷凍された白イカ