丹後ちりめんで満喫
プロの着付け、重文旧家で昼食
本格着物体験が人気
丹後ちりめんの着物を着て織物関係の工房を見学し、郷土料理を味わう「本格着物体験」の取り組みに与謝野町観光協会が注力している。品格のある着物をまとい、重要伝統的建造物群保存地区のちりめん街道(同町加悦)周辺で地域の歴史や風土に触れられる。
プロ着付け・重文旧家で昼食
着物体験は、織物文化を伝える「丹後ちりめん回廊」の日本遺産認定に合わせた事業の一環で2018年にスタート。着物は正絹100%の丹後ちりめんで、プロの着付師が着付けを担うことから「本格」と名付けた。
町観光協会は、コロナ禍を経て丹後を訪れるインバウンド(訪日客)も増えていることから、あらためてPRに力を入れる。
9月下旬には、米国から観光に来た親子のルース・メイレッツさん(63)と、アナスタージャ・メイレッツさん(35)が体験。2人は自分で選んだ着物の着付けを終えた後、織物工房内を見学したり、風呂敷の使い方を学んだりした。
昼ごろに、ちりめん街道にある国の重文・旧尾藤家住宅に到着。洋館もある同住宅内を珍しそうに見て回り、居間で旬の食材による昼食を楽しんだ。同住宅で使われていた朱塗りの器に盛られた「ハレの日御膳」が提供され、カマスのムニエルや落花生ごはんなど6品を味わった。
食後は新座敷で茶道も体験。静寂の中でスタッフがたてた抹茶を、干菓子とともにゆっくりと堪能した。
メイレッツさん親子は「着物は美しく、思ったよりも機能的。着ていて楽しかった。食事もとてもおいしかった」と喜んだ。
与謝野町観光協会の中野和文事務局長は「(訪日客や観光客に)体験を通して日本文化の魅力に触れ、楽しんでほしい」と話している。
本格着物体験(有料)は、利用日の4日前までに与謝野町観光協会のサイトか、電話で予約する。問い合わせは町観光協会0772(43)0155。
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