2026.04.24|まち
出会いの時節
他者を介して自分に会う
丹後の先人のように
俵万智さん著『未来のサイズ』(角川書店)の裏表紙
緑風がすがすがしい光景を運んでくる。朝、真新しい制服の中学生を見かけた。ネクタイをきちんと締め、どこかブレザーに包まれているよう。
〈制服は未来のサイズ入学のどの子もどの子も未来着ている〉
歌人の俵万智さんはわが子のぶかぶかの姿に、ゆとりのある社会であってほしいーと願いを込めた。
制服は学ラン、セーラー服から多様化している。ジェンダーレスや気候への対策が背景にあるが、生徒自ら提案するケースも。栃木県立の中高一貫校は昨夏、生徒会が選んだハーフパンツを採用した。ユニクロや無印良品の市販品で保護者にも好評とか。
ハーフパンツ制服の導入を伝える京都新聞紙面(2025年9月24日付)
国内外向けの多様な生地が貼られている織物見本帖「橋立」(与謝野町)
伝統の着物も、海外との交流で多彩な生地を生んだ。丹後ちりめんの産地・与謝野町に残る織物見本帖「橋立」は明治期のカタログだ。丹後で最も古く、今春に町の文化財に指定された。
65点の生地を貼り、外国向けは当時の新しい技法で精緻な花の文様を施す。ドレスにも仕立てられたとされ、風合いや意匠を追求した先人を思う。異文化に刺激を受け、織りの強みや伸び代を見据えたのだろう。
出会いを大切に。
「他者という鏡を介して自分が見えてくる」。精神科医で作家の故小林司さんは記した。新入生や新社会人だけでなく、間口を広く開けて新たな縁を紡ぎたい。
心に、余白を持ちながら。
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