市民のカレー焼きそば
ウェットとドライ
カフェ・レスト絵梨奈
閑静な町並みにソウルフード「宮津カレー焼きそば」と書かれた黄色い旗が立つ。扉を開けると、店内にはところ狭しと並ぶミニカーのほか、レトロな黒電話やラジカセ…。
「いらっしゃーい」。家城総明さん(67)、真弓さん(64)夫妻が明るい声で迎えてくれた。
店の看板メニューは、麺と具とカレースープというシンプルな組み合わせだが、宮津市民からこよなく愛されるカレー焼きそばだ。
この名物は、スープの量の違いで、「ウェット」と「ドライ」の2種ある。
「ガツンとカレーを味わってほしい」との思いから、しょうゆベースの豚パイタンスープとカレー粉をブレンドし、どちらもスパイシーな味付けに。
そのスープに麺やキャベツ、ピーマンなどの具材が絡み、ピリッとした辛さの中に野菜の甘みや苦みを感じる。食べ終えた後は、ご飯を入れてリゾット風に楽しめる。
今でこそ、カレー焼きそばの名店として知られるが、創業当初はメニューになかった。
きっかけは、今はなき中華料理店が出す元祖の味を忘れられない客から、再現を依頼されたこと。「何か違うなと言っては、スープやカレー粉を替えて一緒に理想の味を追い求めた」(総明さん)。
総明さんが21歳で店を開いてから、まもなく半世紀。借金に悩んだ時期もあったが、「近所の人たちをはじめ、いろんな方に助けられてやってこられた」。恩返しの気持ちが、2人の柔らかな笑顔を支えている。
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