2026.07.30|

保護中: 養蚕プラント、本格稼働
AI・ロボット、スマート技術
繭の安定生産へ

このコンテンツはパスワードで保護されています。閲覧するには以下にパスワードを入力してください。

自動搬送ロボットが蚕の飼育トレーを運ぶ次世代型養蚕プラント。トレーをばらして人工飼料を与える(京丹後市弥栄町溝谷)

シルク材料の開発製造を手がける京丹後市網野町の企業「ながすな繭(まゆ)」が市内の廃校を活用し、次世代型の養蚕実証プラントを本格稼働させた。年間を通じた繭の安定生産を可能にするとともに、スマート技術によって危機的な状況にある養蚕の復活が丹後地域から期待される。

同社は、京丹後市と京都工芸繊維大が開発した、無菌室での通年の養蚕技術を応用し、旧溝谷小(弥栄町)の新シルク産業創造館で2021年から養蚕研究を始めた。人工飼料の研究を重ねるとともに、化粧品原料や医療用素材としてシルクタンパク質の商品化を進めてきた。

トレーの中で人工飼料を与えられて育つ蚕

完成したプラントでは温湿度を管理した元教室にトレー(横65センチ、縦50センチ、高さ15センチ)を積み、その中で蚕を飼育する。餌の時間になると、自動搬送ロボットがトレーを運び出し、別の装置が積んであるトレーをいったんばらして、カメラ画像でAI(人工知能)が蚕の総数を把握する。餌の量を決め、従業員が人工飼料を投入。装置が元のように積み戻す。

養蚕は通常、餌の桑が採れる春と秋に限られる。一般財団法人・大日本蚕糸会(東京都)によると、全国の養蚕農家は2000年に3280戸だったが、25年には113戸に。繭の生産量も1244トンから31トンへと激減している。

同社は1カ月最大30万匹を通年で飼育し、全国の繭生産量の4分の1にあたる年間約8トンを目標にする。自社製品だけでなく、生糸にして丹後の織物業者などに供給する予定。

堀井和輝社長(43)は「日本の養蚕が産業として発展していく可能性を示したい。将来的には給餌装置も導入して自動化を目指したい」と話している。

 

Copyright ©京都新聞