2023.12.29|

見たこともない絶景 奇岩の裏側はどんなん?
京丹後の観光スポット、「立岩」

幅広い分野で利用が進むドローン。いちばんの魅力は見たことがない空からの映像を撮影できることだろう。京都新聞社では2015年、写真部にドローンを導入した。ふるさとの魅力を再発見する空撮企画「ソラドリ」を連載し、ウェブサイトで「ソラドリweb版」を掲載している。特に動画は、空を飛び回る鳥のように、さまざまな視点からの絶景を楽しむことができる。

■裏側はどうなっている?
「丹後半島の奇岩」(2023年9月撮影、京丹後市)

丹後半島の日本海にそびえ立つ「立岩」は、山陰海岸ジオパークの京丹後を代表する観光スポット。高さ約20メートル、周囲約1キロある巨大な一枚岩で、普段目にするのは陸側からの景観だ。海側から見るとどうなのか。ドローン飛行条件の一つ、風速5メートル以下の穏やかな日を狙って空撮した。波が白く砕ける様子を、迫力ある動画が映し出す。

■新しいアングルで 
「成相寺と天橋立」(2022年11月撮影、宮津市)

最寄り駅の天橋立駅から「船、ケーブルカー、登山バスを乗り継ぎ約50分」と案内される山中の古刹、成相寺。高さ150メートル近くまで上昇できるドローンが五重塔(33メートル)を越えると、遠くに日本三景の一つ、昇り龍のような天橋立が浮かぶ。天橋立によって隔てられた穏やかな内海と湾は空の青色を映す。紅葉した境内とのコントラストが絶景だ。

■高さ70メートルから
「太陽の塔」(2019年11月撮影、大阪府吹田市)

2025年に開催予定の大阪・関西万博。約50年前の万博の象徴、太陽の塔もドローン動画で見ると新鮮だ。一番上で金色に輝く黄金の顔、中央部正面の太陽の顔、背面には黒い太陽がある。陰影のできる太陽の顔は次々に表情を変える。黄金の顔と同じ高さ70メートルまで高度を上げ、真っ正面から見ると…。ドローンならではの感動がある。

プロペラ4つで安定飛行 欠かさぬ日々の訓練

京都新聞社(京都市中京区)編集局写真部のドローンは現在3代目。見た目の特徴は4つのプロペラだ。大きなプロペラが1つのラジコンヘリコプターと比べると、複数のプロペラがあるドローンは安定した飛行ができる。衛星から位置に関する信号を受け取るGPS(衛星利用測位システム)に加え、障害物を回避するためのセンサーも搭載し、より自律的に飛行できるよう進化している。

手元のコントローラーでは機体に付けられたカメラの映像とGPSによる地図の2画面が確認できる。予定する高度まで機体を上昇させた後は、コントローラー画面が頼り。最適なアングルを探るため、機体を左右に、カメラの向きを上下に。ドローン操縦を確実に行うため、日々の訓練は欠かさない。

 

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