丹後水揚げのズワイガニ
トップブランド設定へ
新タグで流通も「見える化」
京都府漁業協同組合が2025年度の漁期から、府内で水揚げされるズワイガニ(松葉ガニ)に府内統一の高級ブランドを新たに設けることを決めた。京丹後市で4月に発覚した「間人ガニ」の産地偽装事件で傷ついた地元のブランド価値を底上げするのが狙いだ。重さや甲羅の大きさ、爪の幅などに一定の基準を設け、条件を満たすカニをトップブランドとして広く売りだす。
舞鶴市で開かれた「京都府産ズワイガニのブランド適正化協議会」の最終会合で明らかになった。他産地の高級ブランドとしては、鳥取県の「松葉がに五輝星(いつきぼし)」、福井県は「越前がに極(きわみ)」などがある。京都府内では「間人ガニ」や「舞鶴かに」など地域ごとに選別基準はあるが、府内統一のブランドや基準はない。本年度は甲幅と重量との相関性などを調査して基礎データを集め、漁業者と協議を進める。
不正防止の通し番号入りタグ
会合では、今年11月の漁期から、京丹後市や舞鶴市で水揚げされたことを示す従来の緑色のタグに加え、新たに装着する通し番号入りタグの試作品も公開された。直径3センチの円形で漁船ごとの通し番号や船名の略称を、裏側にはQRコードを記載する。消費者が専用ページに番号を入力すると、水揚げ日や漁港の情報を確認できる。
京都府漁業協同組合の西川順之輔組合長は「流通の『見える化』で消費者の懸念を払拭し、ブランドイメージの回復につなげたい」と話している。
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