2025.04.24|

THE SPICE(スパイス)
多彩な味のカレー
組み合わせの違和感楽しんで

一番人気の「ザ・スパイス・スペシャル」。定番のチキンカレーと月替わりの3種のカレー、ガイヤーンなどのトッピングを楽しめる

京丹後市久美浜町、市久美浜湾カヌーセンターのそばに店はある。築100年超の木造3階建ての日本建築。かつての料理旅館「濱茶屋」の1階は調理場とエントランス、2階に4人掛けの座卓四つとカウンター4席が並ぶ。大正期の雰囲気と現代的な装飾が調和する店内に、香辛料の香りが漂う。

スパイスカレー店を開業して5月で4年を迎える。オーナーの柴田琢磨さん(37)は同町出身。久美浜高を卒業後、大阪市内のアパレル会社で働いていたが、新型コロナウイルス禍を機に2020年、Uターンした。

料理旅館だった広い調理場でカレーを盛り付ける奥田さん(京丹後市久美浜町)

「祖父母の営んだ料理旅館の建物で何かしたいという思いがあった」

大きな調理場を見て飲食店が浮かび、大好きなスパイスカレーの提供を決めた。ただ、飲食店での勤務経験はアルバイトのみ。大阪のイタリア料理店で勤務していた同級生の奥田真人さん(37)を「一緒にやろう」と誘った。

カレーの開発は妻の喜和さん(37)も加わった。約1年かけて試作試食を繰り返し、独自の味をこしらえた。

お薦めは「ザ・スパイス・スペシャル」(1820円)だ。定番のチキンカレーと月替わりの3種のカレーに、ガイヤーン(タイの鶏料理)やガーリックシュリンプなどをトッピングした「4種あいがけ」が人気を集める。

4月の月替わりは「ポークキーマ」と「イカ菜の花マサラ」「ホルモンマサラ」(25日まで)。ターメリックライスを囲むように甘口と中辛、辛口、肉を使わないカレーが盛り付けられ、多彩な味を楽しめた。

昨年からキッチンカーを出店。今後はカレールゥのネット販売やグッズ製作にも取り組む。柴田さんは「カレーはファッションと同じ。組み合わせの違和感を楽しんでほしい。建物や味、接客、店の内装もスパイスの一種なのでいろいろと感じてほしい」と話す。

 

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施設情報

  • THE SPICE(ザ・スパイス)

    https://www.kyotango.gr.jp/shops/15880/

    京丹後市久美浜町3179。平日は午前11時~午後3時、午後5時~8時。土、日曜と祝日は午前11時~午後8時。木曜定休。ガイヤーンなどのサイドメニューは持ち帰り可。キッズプレート(660円)もある。電話は050(1176)2708。