2026.07.14|

まち歩きの楽しみ
丹後は異国の画家の視点で
興味赴くままに

自治体の招きで京都・西陣界隈を歩く赤瀬川さん(2003年9月、京都市上京区)
ヴァルザーが宮津を訪れた際の船着き場周辺を歩く市民ら(2026年4月、宮津市新浜)

変哲もないように見えて、どこかおかしみがある。ぶらぶらしながら見つけた物を一緒に面白がる。美術家で作家の故赤瀬川原平さんらが始めた「路上観察学会」が今年、結成40年を迎えた。

まち歩きの新しい楽しみ方を広め、マンホールや張り紙、建物の付属物など対象は何でも「名品」に。目と脳と遊び心を働かせ、ありふれた日常の中で発見を続けた。

 

スイス人画家のカール・ヴァルザー 
燈籠流し花火大会を描いたヴァルザーの「花火」

そんな活動に「古里を見直したい」と市町から観察依頼が届く。住民とともに巡り、ありきたりな石に名前を付けたりする。柔らかい発想は地域おこしと連動した。

丹後の宮津市では、異国の画家の視点でまち歩きを勧める。明治後期に作家の友人と滞在したスイス人のカール・ヴァルザーで、初の回顧展が大阪中之島美術館(大阪市北区)で開かれている。

宮津の海岸を描いた「入り江」
祭事をモチーフにした「獅子舞」

ヴァルザーは宮津の人々と交流し、祭事や入り江、庭園、路地など何気ない風景や風俗を多く描いた。伸びやかな筆遣い、明るい色彩から画家の驚きと喜びが伝わる。今春、作品にちなんだ各所を市民や愛好家がたどった。

ヴァルザーの目は名勝・天橋立に向かわなかったのか、絵を一点も残していない。周囲に流されず、興味や関心の赴くままに。いつもと少しアングルを変えて童心に戻ってみる。見慣れた景色でも、自分を楽しませる術(すべ)なのかもしれない。

 

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