網野に冷凍魚介パスタ自販機登場 24時間海の幸味わえます
ノドグロ、松葉ガニ、エビ・・・。今日はどれにしよう
ノドグロやエビなど、丹後沖の魚介類を使った「海のパスタ」の自動販売機が京丹後市内に登場した。設置したのは老舗鮮魚店。イタリア料理のシェフとして経験を積んだ店員が調理しており、冷凍された商品を電子レンジで温めれば手軽にプロの味が味わえる。
同市網野町の鮮魚店「魚政」の駐車場で、真っ赤な外観の自動販売機が目に留まった。近づくと、商品を表示する大きめのパネルに彩り豊かなパスタの写真が表示されている。「シビマグロの和風ペペロンチーノ」、「シビマグロの山椒トマトソース」、「ガサエビのクリームソース」、「ノドグロのへしこペペロンチーノ」(各1000円)と、「松葉ガニのジンジャーオイルパスタ」(2000円)。珍しさに加え、多彩なメニューが興味と食欲をそそる。

老舗料理店とイタリアンシェフの技 味は三つ星級
「魚政」は半世紀以上の歴史を持ち、ズワイガニをはじめ、丹後を中心に日本海の魚介類を扱う老舗の鮮魚店。パスタは、京都市のホテルでフランス・イタリア料理のシェフとして働き、故郷の網野町の旅館や宮津市のイタリアンレストランでも腕を振るってきた同店の小石原基さん(58)が調理している。
商品化は、小石原さんが魚政の魚介類で作ったパスタを従業員の昼食に提供し、「商品にできる味」と絶賛されたのがきっかけ。2022年春ごろからテークアウトの昼食として販売したところ注文が相次ぎ、経営者の谷次賢也さん(60)が、いつでも購入できるパスタ専門の自販機設置を思い立った。
急速冷凍したパスタを電子レンジで解凍した際、テークアウト商品と同じ食感や味を再現できるよう試作に数カ月かけた。ノドグロやエビ、マグロ、ズワイガニを具材に、ソースは魚のアラを2日間煮詰めたスープを加える。
小石原さんは「丹後の海の幸のうまさを凝縮した商品」と胸を張る。

マグロとトマトの協奏 指一本でわが家はレストラン
「シビマグロ山椒トマトソース」(一人前1000円)を買い、調理法に従って電子レンジで温めてみた。谷次さんによると、「シビマグロ」とは小型のマグロのこと。ふわっと立ち上がる湯気から甘いトマトの香りが漂う中、麺をフォークに絡めて口に含むと、マグロの身と魚のアラを煮詰めたスープがトマトソースと絶妙に調和し、口中にうま味が広がった。オリーブオイルで調理されたナスやホウレンソウの甘味も加わり、サンショウのピリリと爽やかな辛みがパスタ全体の風味を引き立てる。一人前400グラム。丹後の海の幸を手軽に味わえた。
Copyright ©京都新聞


