「京丹後で映画ロケ」
星野源さん、仲代達矢さん、橋本環奈さん・・・
人気俳優が映画撮影
古民家がロケ地に


星野源さん、高畑充希さん、仲代達矢さん、橋本環奈さん、生田斗真さん…。著名な俳優が映画撮影に臨むロケ地が京丹後市大宮町五十河の山間部にある。府内から移築されたかやぶき屋根の古民家3棟が立ち並ぶ「民家苑」で、時代劇に適した江戸時代の建物に加え、電線といった障害物が映り込まず、映画関係者に重宝されている。
民家苑は近隣住民でつくるNPO法人「グリーンライフ丹後」が管理している。古民家は京都市の不動産業者が観光施設をつくるために2000年から移築を始めた。当初は11棟を移築する計画だったが、バブル崩壊などで南丹市、向日市、木津川市の3棟にとどまり、NPOが譲渡を受けた。
映画やテレビドラマの撮影は5年ほど前から始まった。19年公開の映画「引っ越し大名」では星野さんや高畑さんが撮影に臨んだ。20年の「帰郷」で仲代さんや常磐貴子さん、23年の「湯道」で橋本さんや生田さん、同年の「仕掛人・藤枝梅安2」で豊川悦司さん、片岡愛之助さんが出演する場面が撮られた。森達也監督の話題作「福田村事件」や5月10日公開の松本幸四郎さん主演の「鬼平犯科帳 血闘」でも民家苑が登場する。
阪本順治監督の「せかいのおきく」では近隣住民もエキストラとして出演。出演した糸井照雄さん(77)=大宮町三重=は「自然の中で撮影ができると好評だ。俳優のファンも訪れる。ここが映画の聖地になれば」と期待し、撮影を手伝う。
高台にある民家苑は一般に公開していないが、近くの小町公園に映画ポスターを貼って撮影地をPRしている。NPOの高橋茂理事(75)は「活用されてよかったが、建物の維持が大変。映画会社にも協力してほしい」と語る。


京丹後市もロケ支援 市観光公社とフィルムコミッション設立
CM撮影でも話題に 観光振興にも期待


美しい海岸線が残る京丹後市では映画やドラマ、CMなどの撮影が相次いでいる。同市観光公社はロケ地をホームページで発信。俳優三浦春馬さんのゆかりの地にファンが訪れるなど観光振興に一役買っている。
同市はロケ支援を担う「京丹後フィルムコミッション」を同公社などと13年に設立。実績は、12年度は8件だったが14年度は59件に。新型コロナウイルス禍で低迷したが、23年度は59件と回復した。
平海岸(丹後町)では21年の映画「太陽の子」の三浦さんが登場するシーンの撮影が行われた。近くの宿泊施設「和み庵 空と海」には今も三浦さんファンが訪れる。岩木雄三支配人(43)は「宿は撮影拠点となり、着替えもされた場所。映画に写る海岸の岩はファンの間で『春馬の岩』と呼ばれている」と説明。三浦さん主演の「天外者(てんがらもん)」の撮影場所の三津海岸(網野町)も巡るという。
海沿いのタブノキの「ツリーハウス」(久美浜町)は、歌手あいみょんさんと俳優広瀬アリスさんが出演するCMが話題となり、観光地になった。ロケではほかに、鳴き砂で有名な琴引浜や木製電柱がある葛野浜海水浴場、立岩も人気という。フィルムコミッション担当者は「開発されていない自然が残る京丹後を旅してほしい」と呼びかける。
Copyright ©京都新聞

