2024.12.23|まち
新年はどんな色に?
色は心の中にも
丹後は色彩で旅心くすぐる

色彩豊かな京丹後の魅力を紹介する市観光公社のポスターとPR役のタレント義村歩美さん(京丹後市網野町・アミティ丹後)
冬は色なき季節とも言われる。山々は彩度を落とし、低く優しい日の光を受けて穏やかに。無彩色でも趣ある色調に美を感じる。
思えば、色にまつわる慣用句は、心の状態を示すものが多い。怒って表情を変えると色をなす。改まった顔つきは色を正す。色を付けるは、物事の扱いに情を加えること。
心との関係は興味深い。色彩心理学によると、色は体の外だけでなく「心の中にもある」とか。目にした情報は脳に伝わり、見るだけでさまざまなことが浮かぶ。時の感情に合う、気分を補う、配色を好むこともあるよう。
丹後地域は、色彩で旅心をくすぐる。京丹後市観光公社が9年ぶりに制作したPRポスターは、造語の新色を打ち出す。メインの冬用は「新丹色」。地名と丹(に)色をかけ、日本海に沈む夕日と旬の幸カニで紙面を赤く染める。
通年用には、「巡彩色」や「和青色」と。花や郷土食の黄色、海や新緑もある。四季が彩る丹後で自分好みを見つけてほしいと願う。
先月亡くなった谷川俊太郎さんに、「こころの色」と題する詩がある。心で何を思ってきたかが、今の私をつくっているとし、その色は<すきとおっていればもっと幸せ>と結ぶ。この一年、何を大切にし、どう歩んだか。新しい年はどんな色に? 無彩色もいい。胸に手を置いてみる。
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谷川俊太郎さん(ゆまに書房刊「谷川俊太郎 私のテレビドラマの世界」より)

谷川俊太郎さんの詩「こころの色」