2023.12.08|

阪神・岡田監督の「アレのアレ」 丹後は寒ブリ、ズワイガニ!?
「間人ガニ」もブランド力向上へ

阪神タイガースの日本一を伝える関西のスポーツ紙
寒ブリを水揚げする漁師たち(丹後半島の伊根町)

今年の新語・流行語大賞は、予想通り「アレ」だった。プロ野球・阪神タイガースの岡田彰布監督が「優勝」の代わりに唱えた言葉である。

では、日本一は? 監督はファンに募ったが、達成して使ったのは「アレのアレ」。夢を実現し、語られる言葉はほほ笑ましい。

こちらも、日本一と言わずとも絶賛された。師走に入り、旬を迎える丹後の寒ブリだ。「最上」「上品」。江戸時代中期の食物書などに記され、儒学者の貝原益軒も若狭や筑紫産と比べて「脂が多くて美味」と。全国的に見ても、丹後ブリは随一と認知され、将軍への献上品だったとか(東昇著「京都の産物―献上・名物・土産―」)。

ブリと並ぶ、冬の味覚のズワイガニ(松葉ガニ)もその地位を狙う。京都府漁業協同組合に所属する間人や網野支所(ともに京丹後市)の漁船が今季から、未成熟の「モモガニ」を放流する漁獲規制を始めた。府海洋センターの研究に基づく全国初の試みで、ブランド力の向上を目指す。

カニ漁には、捕り過ぎによる資源の枯渇や価格の乱高下という長年の悩みがある。各地の主な漁協は水揚げできるサイズや量、出漁日を自主規制し、安定した操業に努める。いわば、カニ資源の保護と利益の両立をにらむ。

岡田監督は大一番の試合も「普通にやる」を大事にした。カニ漁の規制は厳しいと聞くが、それが普通になり、労も報われて、末永く味わえるといい。丹後の「アレのアレ」はやはり海の幸が似合う。

 

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他のカニと区別するタグ付きの「間人ガニ」。ブランド力向上のため新たな試みが始まっている(昨年12月、京丹後市丹後町間人・昭恋館よ志のや)