2024.04.05|

「リスク低減と生活の質向上を」
足や爪、皮膚をケア
看護師がフットサロン開業

自宅に設けたフットケアサロンで、足の健康を保つことの大切さについて語る能勢さん(京丹後市峰山町杉谷)

京丹後市峰山町の総合病院にパートタイムの看護師として勤務する女性が、自宅で高齢者の足の爪や皮膚のケアを施す専門店「フットケアサロン 爪と足の相談室 ravi」を開いている。医療現場で働いてきた経験をもとに「病気と足のトラブルで悩む患者のけがのリスク低減や生活の質向上につなげたい」と話している。

京丹後市峰山町杉谷で2021年11月に開業した能勢祥子さん(42)。同市に隣接する与謝野町出身で高校卒業後、准看護師として宮津市内の病院と峰山町の総合病院に勤務し、30代前半に大学の通信教育を受けて正看護師の資格を取得。地元での勤務を続けている。

8年ほど前、病院で人工透析を担当した経験がサロンの開設を思い立ったきっかけになった。糖尿病患者の多くが巻き爪やうおのめ、足のトラブルで悩んでいたが、病院では足のケアを十分できるスタッフがいないことが気になった。

足にトラブルを抱えたままでは転倒などによるけがのリスクが高まるため、一般社団法人「日本フットケア・足病医学会」(事務局・東京都)の講習会を受講し、認定試験に合格。専門店を運営できる資格を取得した。ただ、病院の正規職員の看護師は副業ができないため、非正規のパート職員になって開業した。

サロンでは、電動やすりを使って分厚くなった爪を削ったり、巻き爪となった部分に小さなプラスチックの板を装着して矯正したり、特殊な形の刃物で皮膚の硬くなった部分を削り取るなどのケアをしている。利用者宅に出向いてケアを施すこともある。

病院勤務とフットケア専門店の両立は時間のやりくりが大変だが、医療現場では常に新しい知識を得られ、足のトラブルを抱える高齢者のさまざまな症例に触れられるという。

能勢さんは「足の健康を保って生活の質を高め、生きがいにつなげるお手伝いをしたい」と患者に寄り添う。

 

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施術は患者に語りかけながら丁寧に行う(与謝野町内)