丹後クリエイティブセンターオープン
西陣織の名画や丸帯を展示
織機の作業場も公開


高級絹織物・西陣織の技法で織り上げた絵画や生産工程を一般に公開する「丹後クリエイティブセンター 西陣織あさぎ美術館 丹後館」が京丹後市網野町にオープンした。日本や西洋の名画の額装作品や小倉百人一首をあしらったかるたサイズの織物などを展示し、豪華な「丸帯」を織る織機が稼働する様子も見学できる。
西陣織は先染めの紋織物で、国の伝統工芸品に指定されている。あでやかに染められた色糸を使い、錦織や綴(つづれ)織など多様な技法を駆使して織り上げる。各職人の高度な染めや織りの技術によってきめ細かな模様を表現するのが特徴だ。白生地の絹織物「丹後ちりめん」で知られる京丹後市にも熟練の西陣織の職人がいて、丹後には双方の織物文化が息づく。
西陣織の名画、名品も

クリエイティブセンターは、和装や洋装の製造卸「ツカキグループ」(京都市下京区)が伝統技術の継承と人材育成を目的に開設した。1階では西陣織でも細い糸で繊細に織り上げる3台の織機が稼働する。2階の美術館(約130平方メートル)は同グループの塚喜商事あさぎ事業部が自社ビルに設けた「西陣織あさぎ美術館」の丹後分館として運営する。
館内には、京丹後市内の職人が手がけた約40点を展示する。俵屋宗達のびょうぶ絵「風神雷神図屏風」や、葛飾北斎の浮世絵「富嶽三十六景」を西陣織で再現したり、クロード・モネの「睡蓮の池」やゴッホの「ひまわり」などの名画を柄に織り込んだりした逸品が並び、職人たちの高い技術がうかがえる。源氏物語絵巻など平安貴族をモチーフにした丸帯、剣豪宮本武蔵が描いた墨絵をあしらった軸装作品もある。
【メモ】
入館料は一般500円、大学・高校生400円、中学生以下無料。火、水曜日休館。営業時間は午前10時~午後5時(入館は午後4時半まで)。西陣織の作業場は平日に見学できる。
丹後クリエイティブセンター 0772(66)3222。
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