「四十七士」和紙人形
赤穂・大石神社へ
女性創作グループが制作


京丹後市久美浜町の女性創作グループ「倭紙人形の会」のメンバー5人が制作した赤穂浪士「四十七士」の和紙人形が、ゆかりの赤穂大石神社(兵庫県赤穂市)に奉納されることが決まった。討ち入りや戦いの緊迫した場面が見事に表現されており、5人は「とても光栄。多くの人に見てもらいたい」と喜んでいる。
倭紙人形の会は30年ほど前、代表の小森明美さん(82)を中心に結成され、源氏物語や丹後七姫などをテーマに和紙人形を作り、作品展を開いてきた。
小森さんは2022年12月ごろ、大石内蔵助の妻りくの出身地で、隣市の豊岡市から作品展を見に訪れ、四十七士に関心を寄せていた渡邉信和さん(76)から「四十七士の和紙人形を作ってもらえないか」と依頼された。
討ち入り 生き生きと再現
奉納品として公開


小森さんたちは翌年から4カ月間かけて人形を仕上げた。陣太鼓を手にする大石内蔵助の前に黒い羽織に刀を携えた討ち入り装束の赤穂浪士たちが集結した場面や、赤穂浪士たちが吉良邸に押し寄せて塀を乗り越え、邸内の武士たちと壮絶な戦いを繰り広げる場面が生き生きと再現されている。高さ約15センチの人形の装束には浪士それぞれの名前が記され、討ち入り時に手にしていたとされる刀ややり、弓矢の武器も添えられ、今にも動き出しそうに見える出来栄えになった。
人形は豊岡市内の催しや久美浜町内の文化祭で展示され、「精巧にできている」と評判になった。渡邉さんは「四十七士の故郷・赤穂でも見てもらえないか」と大石神社に打診したところ、神社側が快諾し、拝殿で奉納品として公開されるという。小森さんは「豊岡と京丹後、赤穂の文化交流につながればうれしい」と話している。
【施設情報】
赤穂大石神社(播州赤穂城内、大石内蔵助の屋敷跡に建つ)
兵庫県赤穂市上仮屋131-7 0791-42-2054
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