「日本一短い」アーケード
御旅市場再生へ
若者の出店誘致

全長約52メートルの「日本一短いアーケード」をうたう「御旅市場」(京丹後市峰山町御旅)に、往年のにぎわいを取り戻したい―。地元の商店会長が、空き店舗を活用した市場再生計画を進めている。買い物客や住民の交流拠点、起業を志す若者たちが営む飲食店や土産物店の連なる「御旅横町」を3年以内にオープンさせようと張り切っている。
市場再生を目指すのは、峰山御旅商店会の会長を27年務める印刷会社経営、中川芳隆さん(83)=峰山町。
御旅市場は、近くの川沿いに果物などの露店が並んでいたことから、1918(大正7)年に設けられた木造アーケードが発祥とされる。半世紀後に現在の鉄骨製となり、旧峰山町中心部の「丹後の台所」として、最盛期に18店舗が軒を連ねた。
しかし近年は、地場産業の低迷や大型店の出店、高齢化を伴う人口減少などの影響で閉店が相次いだ。昨年末にアーケードで営業するのは2店舗のみ。シャッターの下りた空き店舗が目立ち、人影もまばらな状況だ。
中川さんら商店会の関係者らは2008年から17年まで、市内から出店を募るフリーマーケットを計100回、この市場で開催した。昨年12月には13店舗の飲食ブースが並ぶ「御旅市場マルシェ」を催すなど、にぎわいづくりに取り組んでいる。
今回の計画について、中川さんは「1日限りのイベントではなく、店舗を常設することで、御旅市場を再生させる起死回生の活性化策です」と強調する。
中川さんは昨年春、アーケード内と近くの空き店舗2カ所を自ら買い取った。アーケード内で、畳の間や土間がある元乾物店(約60平方メートル)は、買い物客や親子連れらの休憩・交流の場、商店会の事務所などとしての活用を目指す。
アーケード入り口近くの元青果卸商店(約240平方メートル)は、6~7店舗のチャレンジショップが入居する「御旅横町」として改装する。27年春までに改装を完了させる予定で、中川さんは「整備ができ次第、市内の若い人たちを中心に出店を募っていきたい」と意気込んでいる。
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