2023.05.25|

“世界の絶景”に負けない夕日ケ浦海岸の幻想的風景

「ウユニ塩湖」をご存じだろうか。南米・ボリビアにある白い塩に覆われた大地で、雨期に薄く水が張ると鏡のように空や人物を映すことで知られる。ぜひ一目みたいところだが、あるのは地球の反対側。そう簡単にいける場所ではない。

そんな神秘的な光景そっくり?に再現できる場所が、京都市内から車で約3時間の京丹後市網野町にあるという。海外旅行の気分が気軽に味わえるならばと、現地に向かった。

撮影場所は、夕日ケ浦(浜詰)海岸。海水浴場を西に進むと、海に注ぎ込む小川の河口がある。凪(な)いだ水面に空が映り込み、砂浜に人物が立つと、鏡面の世界が現れるのだそうだ。

この日は天候に恵まれ、ほとんど無風。干潮時間に合わせて訪れたので、波の影響も受けない。絶好の撮影日和と思ったのだが、前日に雨が降った影響で、川の流れが速い。さざ波が立ち、なかなか水鏡になってくれない。

諦めかけた時、浅瀬が穏やかに静まり返り、太陽が雲に遮られた。すると、青空と白雲が水面にくっきりと映し出された。このシャッターチャンスを逃すまいと、偏光(PL)フィルターで反射を強調させつつ、シャッターを切った。

その後、夕焼けが辺りを包むまで撮影を続けたが、水鏡になる瞬間は限られていた。ウユニ塩湖っぽく撮るのは、案外難しい。それでも、目の前に広がるオレンジ色の日本海はみとれるほどにきれいで、“世界の絶景”にも負けていないように感じた。

夕日ケ浦海岸
「日本の夕陽百選」に選ばれており、周辺には温泉街もある。浜辺には“インスタ映え”を意識したブランコやオブジェも用意されている。

 

Copyright ©京都新聞