【味な店】平源「あっさりしたスープ」が自慢 懐かしい味の「中華そば」
店舗前に「昔ながらの中華そば」と掲げられている、丹後ちりめん製ののぼりとのれんが目を引く。客の一人から贈呈されたといい、「ラーメン」とはひと味違う「中華そば」を求めて来店するファンの思いが込められているようだ。
鶏がらとしょうゆベースのスープには、店主の平井幹夫さん(69)がほぼ毎日、豚バラブロックを煮込んで作る自家製チャーシューのうま味が加わる。地元製麺所のストレート細麺とほどよく絡み合い、後を引く味わいだ。「スープを残さずに食べてくれるお客さんがほとんどで、作りがいがある」と喜ぶ。
平井さんの祖父の代から続く老舗で、店名は初代店主の名にちなむ。本業は仕出しや宴会の料理だが、平井さんの母親が以前に作っていた中華そばを懐かしがる客の求めに応じて、15年ほど前に試行錯誤を繰り返して復活させた。「あっさりとした懐かしい味」と評判が広がり、リピーターも多い。店のおかみで妻の宮子さん(73)は「いつの間にか、中華そば屋になっていた」と笑う。
中華そば(並)は600円。1番人気は自家栽培コシヒカリのご飯とおかずが付く700円のセットメニューだ。おかずは日替わりで、牛肉のしぐれ煮や煮込みハンバーグ、地魚の煮付けなど豊富な品ぞろえで、主役をもり立てている。
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