2023.07.21|

ふるさと納税 返礼品増加奏功 15億円過去最高 PRサイトも拡充

京丹後市は、2022年度のふるさと納税の寄付額が前年度比63%増の15億1千万円で過去最高に達したと発表した。京都府によると、寄付額が10億円を超すのは府北部で初めてで、府内3番目に多い寄付額になる見込み。市は返礼品となる新たな産品開発とPRするポータルサイトの追加が寄付額急増の要因とみている。

同市のふるさと納税寄付額は18年度の2億5千万円から5年連続で伸びており、22年度は前年度の9億3千万円を大きく上回った。

市は20年度から「かせぐ地方創生」をテーマに地域経済の活性化につながる取り組みを重視してきた。返礼品を提供する事業者数の拡大に力を入れ、19年度の40社から22年度は170社に増加。品目も700から1400と倍増し、納税者の選択の幅を広げた。

さらに納税者によるポータルサイトの閲覧回数を増やすため、返礼品を掲載するポータルサイトを20年度の3サイトから22年度までに12サイトに拡充。市の担当者は「少量多品種なので、各サイトの客層に合わせた品を掲載した」とする。

京丹後市のふるさと納税の寄付額
京丹後市が事業費を補助し、新しく開発された返礼品の缶ビール(市提供)

返礼品ごとの寄付額は、主力のマツバガニ(ズワイガニ)関連商品が3億9千万円で最も高く、旅行1億8900万円、ギフト券1億2100万円と続く。カニ関連への寄付額が総額に占める割合は21年度に4割だったが、22年度は25%に減少。代わりに新たな返礼品として追加したクラフトビールの缶ビールや国産牛熟成肉の割合が大きく伸びた。

昨年度から取り組むクラウドファンディング(CF)型ふるさと納税も奏功した。返礼品を開発する事業者を支援するCFを市が実施し、一定額集まった寄付金の7割を事業者の返礼品開発や販売支援に充てている。

市ふるさと応援推進課は「マツバガニ以外にも魅力ある返礼品が増えてきた。事業者の活躍は地域の活性化につながる。さらなる参入に力を入れたい」としている。

 

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