第九の扉が開くとき、軍人は「人間」に帰る。『交響曲第九番 歓喜の歌』。それは「苦悩を突き抜けて歓喜へ!」と叫んだ、楽聖ベートーベンの心の雷鳴であり、万人を兄弟として結び合う、気高き永久の賛歌であり、たくましき民衆の凱歌である。
第一次世界大戦中の徳島県鳴門市の板東俘虜収容所を舞台に、軍人でありながら、生きる自由と平等の信念を貫き通した所長・松江豊寿(まつえとよひさ)の指導によって、ドイツ人捕虜達が収容所員や地元民と文化的・技術的な交流を深め、ベートーベン作曲の『交響曲第九番 歓喜の歌』を日本で初めて演奏したという奇跡的な実話をベースに描く感動大作。
- 公開(放送)年
- 2006年6月
- 監督名
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出目 昌伸
1957年に東宝入社。黒澤明、松林宗恵、堀川弘通、古澤憲吾らの助監督を務め、1968年、内藤洋子主演の『年ごろ』で監督に昇進。その後、『俺たちの荒野』『その人は女教師』など、それまでの東宝青春映画とは一線を画す作品を監督する。
東宝退社後の1980年代中盤からは、東映で吉永小百合主演による『天国の駅』『玄海つれづれ節』、織田裕二、仲村トオル、風間トオルら若手スターによる反戦映画『きけ、わだつみの声』、岩下志麻と吉永小百合の2大女優初競演が話題となった『霧の子午線』など、大作映画を次々と手がける。2006年、『バルトの楽園』で10年ぶりにメガホンをとった作品。
- 出演者
松江豊寿 – 松平健
高木繁 – 國村隼
伊藤光康 – 阿部寛
クルト・ハインリッヒ – ブルーノ・ガンツ
カルル・バウム – オリバー・ブーツ
ヘルマン・ラーケ – コスティア・ウルマン
松江歌子 – 高島礼子
馬丁宇松 – 平田満
すゑ – 市原悦子
たみ – 中島ひろ子
黒田 – 大杉漣
志を – 大後寿々花
マツ – 中山忍
広瀬 – 徳井優
林豊 – タモト清嵐
警官 – 福本清三
松江の父 – 三船史郎
幼少時の松江 – 佐藤勇輝
多田少将 – 泉谷しげる
島田中佐 – 勝野洋
南郷巌 – 板東英二ほか
※太字は下記ロケ地にて演じられた方々。